学校でも家でもない「第三の居場所」が不登校の子どもに必要な理由と探し方

本記事はLaZo株式会社の発達支援専門スタッフが監修しています。

「学校に行けなくなってから、家の中でもどこか居心地が悪そうにしている」「学校でもない、家でもない、どこか安心できる場所を探しているけれど、何から始めればいいのか分からない」——不登校のお子さまを持つ保護者の方から、こうした声をよく耳にします。

不登校というと「学校に戻れるかどうか」に意識が向きがちですが、実はその手前に、もっと大切な問題があります。それは、お子さまが「今、安心して過ごせる場所」を持てているかどうかです。学校が合わなくなったとき、家だけがすべての居場所になってしまうと、お子さまにとっても保護者にとっても、逃げ場のない状態が続いてしまいます。

この記事では、不登校の子どもに「第三の居場所」がなぜ必要なのか、具体的にどんな選択肢があるのか、そして北摂・阪神エリアでどう探していけばいいのかを、実際にフリースクールや発達支援、訪問看護を運営する立場から、できるだけ具体的に解説していきます。

目次

不登校の子どもが感じている「居場所のなさ」とは何か

文部科学省の調査では、不登校の児童生徒数は年々増加傾向にあります。しかし数字以上に重要なのは、一人ひとりの子どもが日々感じている「居場所のなさ」という感覚です。

「学校にも家にも居場所がない」という感覚

学校に行けなくなった子どもは、多くの場合「学校に行けない自分はダメな存在だ」という感覚を抱えています。同時に、家にいることについても「本当はここにいてはいけないのではないか」「みんなは学校に行っているのに、自分だけ家にいる」という後ろめたさを感じているケースが少なくありません。

つまり、学校にも家にも「心から安心していい」と思える場所がない状態が続いてしまうのです。これは大人が想像する以上に苦しい状態です。四六時中、どこにいても気を張っていなければならない生活は、心身の回復を妨げます。

「居場所のなさ」が引き起こす二次的な問題

居場所のなさが長引くと、次のような二次的な問題が生じやすくなると考えられています。

一つは、自己肯定感のさらなる低下です。「どこにも自分の居場所がない」という感覚は、「自分には価値がない」という思考につながりやすく、回復をより難しくしてしまいます。

もう一つは、家族関係への影響です。子どもが家の中でも安心できずにいると、些細なことでの衝突が増えたり、逆に会話そのものが減ってしまったりすることがあります。保護者としても「どう接すればいいか分からない」というストレスが積み重なりやすくなります。

さらに、社会との接点そのものが失われていく点も見過ごせません。内閣府の調査ではひきこもり状態にある若者が一定数存在すると推計されており、そのきっかけとして不登校が挙げられるケースがあります。学校にも家にも居場所がない状態が長期化すると、社会との接点自体が細くなっていくリスクがあるのです。

「第三の居場所」という考え方

こうした状態に対して有効とされるのが「第三の居場所」という考え方です。「第三の居場所」とは、学校でも家でもない、評価されず、比較されず、ただそこにいることが許される場所を指します。

この場所があるかないかで、不登校からの回復のスピードや方向性は大きく変わってくると考えられています。学校に戻ることだけを目標にするのではなく、まず「安心していられる場所」を確保すること。それが、遠回りに見えて、実は最も確実な回復への道筋になります。

居場所の選択肢1:自宅での過ごし方と限界

不登校が始まった直後は、多くのご家庭で「まずは家で休ませる」という選択を取ります。これは間違った対応ではありません。学校というストレス源から距離を置き、心身を休めることは回復の第一歩として重要です。

自宅での休養が持つ意味

不登校になったばかりの時期、子どもの心身はエネルギーを使い果たした状態にあることが多いといわれています。この段階で無理に外に出そうとしたり、学校の話を持ち出したりすることは、かえって回復を遅らせる可能性があります。まずは安心できる環境で、心身を休ませる時間を確保することが大切です。

自宅だけを居場所にし続けることの限界

ただし、自宅だけを居場所にし続けることには限界があります。理由は大きく三つあります。

一つ目は、生活リズムが崩れやすいことです。学校という外的な時間の枠組みがなくなると、昼夜が逆転したり、一日中同じ空間で過ごすことで気持ちの切り替えが難しくなったりします。生活リズムの乱れは、心身の回復にも影響を及ぼすことがあります。

二つ目は、社会的な刺激が極端に減ることです。人と関わる機会が減ると、久しぶりに人と接することへのハードルがどんどん上がっていきます。結果として、外に出ること自体への不安が強まってしまう場合があります。

三つ目は、保護者の負担が集中しやすいことです。子どもが家にいる時間が長くなるほど、保護者は「どう接すればいいのか」「このままでいいのか」という不安を一人で抱え込みやすくなります。特に共働きのご家庭では、日中の見守りと仕事の両立に悩むケースも多く聞かれます。

自宅での過ごし方を工夫するポイント

自宅を居場所として機能させるためにできる工夫もあります。決まった時間に起きる、決まった時間に食事をとるなど、最低限の生活リズムを保つこと。子ども自身が「やってみたい」と思えることに、無理のない範囲で触れられる環境を用意すること。そして、学校の話題を無理に持ち出さず、子どもが話したくなったときに聞く姿勢を保つことです。

自宅での休養は「ゴール」ではなく「回復のための一時的な拠点」として捉えることが大切です。そのうえで、次の一歩として、自宅以外の居場所を少しずつ視野に入れていくことが望ましいと考えられます。

居場所の選択肢2:フリースクールの種類と選び方

自宅以外の居場所として、まず検討されることが多いのがフリースクールです。ただし、フリースクールと一口に言っても、その内容や対象はさまざまです。

フリースクールにはどんな種類があるのか

フリースクールは、決まったカリキュラムに縛られず、子ども自身のペースで過ごせる学びの場です。大きく分けると、学習支援を中心とするタイプ、体験活動や社会体験を重視するタイプ、在宅からの支援を前提とするタイプなど、運営方針は施設によって大きく異なります。

学習支援中心型は、教科学習の遅れを取り戻したい、高卒認定や進学を見据えたいというニーズに向いています。体験活動重視型は、学習よりもまず社会とのつながりや自信の回復を優先したい場合に適しています。在宅支援型は、まだ外出そのものが難しい段階のお子さまに向いています。

フリースクールを選ぶ際に確認すべき7つのポイント

フリースクールを選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理すると、次のようになります。

一つ目は「通える状態」を前提としているかどうかです。多くのフリースクールは、ある程度外出できる状態の子どもを想定しています。まだ家から出られない段階のお子さまの場合は、在宅支援から始められる施設かどうかを確認する必要があります。

二つ目は、学校の出席扱いになるかどうかです。フリースクールへの通所が、在籍する学校の判断によって出席扱いとなる場合があります。将来的な進路を考えるうえで気になる場合は、事前に在籍校へ確認しておくと安心です。

三つ目は、発達特性への理解や支援体制があるかどうかです。不登校の背景に発達特性が関係しているケースは少なくありません。

四つ目は、通う時間や頻度に柔軟性があるかどうかです。朝が苦手なお子さまの場合、午後からの登校が可能かどうかは重要な確認事項です。

五つ目は、費用体系です。月額固定制か、通所回数に応じた変動制かによって、家計への影響は大きく異なります。

六つ目は、医療機関や福祉サービスとの連携があるかどうかです。特に発達特性や心身の不調が背景にある場合、連携体制の有無は支援の質に直結します。

七つ目は、実際に見学・体験をしたときの、スタッフとお子さまとの相性です。どれだけ制度や設備が整っていても、お子さま自身が「ここなら安心できる」と感じられるかどうかが最も大切な判断材料になります。

居場所の選択肢3:放課後等デイサービス・療育機関との違い

フリースクールと並んで検討されることが多いのが、放課後等デイサービスをはじめとする療育機関です。両者は似ているようで、制度上の位置づけや支援の目的が異なります。

制度上の違い

放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく通所支援サービスで、障がいや発達特性のあるお子さまを対象としています。療育(発達支援)を目的としており、受給者証の取得が利用の前提となります。国と自治体からの給付により、原則1割負担で利用でき、世帯の所得に応じた負担上限額が設定されています。

一方でフリースクールの多くは、福祉サービスではなく民間の教育・居場所提供サービスという位置づけです。受給者証は不要な場合が多いものの、その分、費用は保護者の自己負担が中心となります。

目的の違い

放課後等デイサービスは、発達特性に応じた療育プログラムを通じて、日常生活能力の向上や社会性の発達を支援することを主な目的としています。専門職(児童発達支援管理責任者、保育士、心理士など)が配置され、個別の支援計画に基づいた療育が行われます。

フリースクールは、学習や体験、居場所の提供そのものを目的としており、療育という枠組みにとらわれず、より柔軟な形で子どもの「今」に寄り添うことを重視する傾向にあります。

どちらを選ぶべきか、あるいは組み合わせるべきか

どちらが向いているかは、お子さまの状況によって異なります。発達特性への専門的なアプローチが必要な場合は放課後等デイサービス、学習や社会体験を中心とした居場所を求めている場合はフリースクールが選ばれる傾向にありますが、実際には両方を組み合わせて利用しているご家庭も多くあります。

例えば、平日の一部は療育を中心とした放課後等デイサービスを利用し、別の曜日はフリースクールで学習や体験活動に参加するという「両方使い」も一つの選択肢です。大切なのは「どちらか一つを選ばなければならない」と考えすぎないことです。お子さまの状態に応じて、段階的に、あるいは並行して活用していく視点を持つことをおすすめします。

北摂・阪神エリアで居場所を探すときの具体的な手順

実際に居場所を探し始める際は、次のような手順で進めていくとスムーズです。

ステップ1:お子さまの現在の状態を整理する

まず、お子さまの現在の状態を整理します。家から出られる状態か、まだ難しい状態か、人と話すことへの不安の強さはどの程度かなど、今の段階を客観的に把握することが最初のステップです。この整理をしておくことで、施設選びの軸がぶれにくくなります。

ステップ2:候補となる施設をリストアップする

次に、通所を前提とした施設だけでなく、在宅支援から始められる施設も候補に含めて情報収集を行います。吹田市・豊中市・箕面市・茨木市・尼崎市・川西市・宝塚市など、北摂・阪神エリアには、フリースクール、放課後等デイサービス、訪問看護など、複数の支援形態を持つ事業者があります。

ステップ3:見学・体験を申し込む

気になる施設には見学や体験を申し込みます。多くの施設では、見学や体験の相談を無料で受け付けています。「まだ通える状態ではないけれど、話だけ聞いてみたい」という段階でも相談できる窓口を選ぶことが大切です。

ステップ4:条件をすり合わせる

最後に、施設側の担当者と、受給者証の要否や費用、送迎の有無、発達特性への対応状況などを具体的にすり合わせます。この段階で不安や疑問をできるだけ解消しておくことが、その後の継続的な利用につながります。

居場所が見つかった後に親がすべきこと

居場所が見つかった後も、保護者の関わり方は重要です。ここで気をつけたいポイントをいくつか挙げます。

通所の波を「後退」と捉えない

一つ目は、通所の頻度や結果に一喜一憂しすぎないことです。回復には波があり、順調に通えていた時期の後に、また行きたくない日が出てくることは珍しくありません。この波を「後退」ではなく「回復過程の一部」として捉える視点が大切です。この点については、別記事「不登校の回復過程を4段階で理解する」でも詳しく解説しています。

施設との情報共有を続ける

二つ目は、施設側との情報共有を継続することです。家庭での様子と施設での様子は異なる場合があります。定期的に情報を共有することで、お子さまに合った関わり方を一緒に模索していくことができます。

保護者自身の負担を軽くする

三つ目は、保護者自身の負担を軽くする工夫をすることです。保護者が疲弊してしまうと、お子さまへの関わりにも影響が出てきます。専門家や支援機関に相談できる窓口を持っておくことは、保護者自身を守るためにも重要です。相談先の選び方については、別記事「不登校の相談先を学校・病院・NPO・民間支援で比較」もあわせてご覧ください。

LaZoのフリースクールが「第三の居場所」として機能している理由

LaZoでは、フリースクール「グリーンアップル」を通じて、通える状態の子どもだけでなく、在宅支援が必要な段階のお子さまからの支援に対応しています。

訪問看護との連携による在宅支援

特徴の一つは、訪問看護ステーション「そらなぎ」との連携です。児童精神分野に特化した訪問看護の看護師と連携しながら、医療的な視点も踏まえた支援を行うことができます。まだ外に出られない時期から、その子に合った関わりを始められる体制を整えています。

発達特性への理解を前提とした支援

もう一つの特徴は、発達特性への理解を前提とした支援アプローチです。不登校の背景に発達特性が関係している場合、その特性に応じた環境調整や関わり方が必要になります。LaZoでは発達支援の専門職と連携しながら、お子さま一人ひとりの状態に合わせた支援を段階的に組み立てています。

「通えるようになってから」ではなく「通えない今」から

「通えるようになってから」ではなく、「通えない今」から支援を始められること。それが、LaZoのフリースクールが多くのご家庭にとって「第三の居場所」として機能している理由です。

よくある質問

Q1. まだ子どもが家から出られない状態でも相談できますか?

A1. はい、ご相談いただけます。在宅からの支援に対応しており、外出そのものが難しい段階からご相談を受け付けています。

Q2. フリースクールに通うと、学校の出席扱いになりますか?

A2. 在籍する学校の判断によって出席扱いとなる場合があります。詳しくは在籍校とご相談のうえ、当スクールにもお問い合わせください。

Q3. 発達障害の診断がなくても相談できますか?

A3. 診断の有無にかかわらずご相談いただけます。特性が気になる段階からのご相談も可能です。

Q4. 放課後等デイサービスとフリースクールは同時に利用できますか?

A4. 曜日や時間帯を分けて併用しているご家庭もあります。お子さまの状況に応じてご提案いたします。

お子さまの居場所探しについて、まずは話だけでも聞いてみたいという段階でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。

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