「計算はできるのに漢字だけ覚えられない」と悩む親に知ってほしい、学習障がいの種類と見分け方

計算は得意なのに漢字だけ覚えられない場合、学習障がい(LD)の一種である「書字障がい(ディスグラフィア)」や「読字障がい(ディスレクシア)」の可能性があります。LDは知的発達の遅れではなく、脳の特定の学習機能に偏りがあることで起こるもので、得意と苦手の差が極端に大きい点が特徴です。気になる場合は、学校の特別支援教育コーディネーターや地域の発達支援センターへ相談し、専門的なアセスメントを受けることが第一歩となります。

「うちの子、算数のテストは満点なのに、漢字だけは何度書いても覚えられないんです」「ひらがなの音読はできるのに、自分で文章を書くことができない」。こうした悩みを抱える保護者の方は少なくありません。学校の先生からは「努力が足りない」「もっと練習させてください」と言われ、家庭でも毎日ドリルに取り組ませているのに、一向に改善しない。そんなとき、親は自分の関わり方が悪いのではないかと自分を責めてしまいがちです。 「ASDの子が「できない」と泣いて諦めてしまうとき、親ができる自己肯定感を守る関わり方」もあわせてご覧ください。

しかし、特定の学習領域だけに極端な困難がある場合、それは単なる「苦手」や「努力不足」ではなく、脳の学習機能の偏りによる「学習障がい(LD)」である可能性があります。学習障がいは知的発達の遅れとは異なり、全体的な理解力は年齢相応にあるにもかかわらず、読み書きや計算といった特定のスキルの習得に著しい困難を示す状態を指します。この記事では、「計算は得意なのに漢字だけ覚えられない」という具体的なつまずきを入り口に、学習障がいとは何か、どんな種類があるのか、そして家庭でできるサポートと相談先までを丁寧に解説します。 「不登校の相談先を学校・病院・NPO・民間支援で比較。北摂エリア在住の親向けガイド」もあわせてご覧ください。

目次

学習障がい(LD)とは何か――知的発達と学習スキルの「ズレ」

学習障がい(Learning Disabilities、LD)とは、全般的な知的発達には遅れがないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するといった特定の学習能力の習得と使用に著しい困難を示す状態を指します。文部科学省の定義では、「中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるもの」とされており、視覚障害や聴覚障害、知的障害、情緒障害などが直接の原因ではないことが特徴です。 「【専門家監修】ビジョントレーニングで学習能力が伸びる理由と療育での活用法」もあわせてご覧ください。

「うちの子は話すときはしっかりしているし、理解力もあるのに、どうして書くことだけができないんだろう」と感じる場合、それはまさに学習障がいの特徴的なサインです。知能検査を受けると平均的、あるいは平均以上の知的能力があるにもかかわらず、特定の学習スキルだけが極端に低いという「凸凹(でこぼこ)」のプロフィールが見られます。この凸凹こそが、学習障がいを理解する上で最も重要なポイントです。 「広汎性発達障害(PDD):自閉症スペクトラムとの比較から理解する」もあわせてご覧ください。

例えば、小学3年生のA君は、算数の文章題を読み解く力があり、計算も正確にこなせます。しかし、漢字テストでは毎回10点以下。何度練習しても、翌日には忘れてしまい、同じ字を何度も間違えます。担任の先生からは「やる気がない」と指摘されましたが、実際には彼なりに一生懸命取り組んでいました。後に専門機関でアセスメントを受けたところ、書字障がい(ディスグラフィア)と読字障がい(ディスレクシア)の傾向があることが分かり、視覚的な記憶の弱さと文字の形を認識する機能の偏りが背景にあることが明らかになりました。

LDは「怠けている」のではなく、脳の学習機能の特性

学習障がいは、本人の努力不足や家庭環境の問題ではありません。脳の特定の領域が、読み書きや計算といった学習スキルの処理を担当しているのですが、その領域の働き方に生まれつきの偏りや違いがあるために起こります。例えば、文字を視覚的に認識する領域、音と文字を結びつける領域、手指の動きを制御する領域など、複数の脳機能が協調して働くことで、私たちは「読む」「書く」といった行為を行っています。これらのどこかに不具合があると、特定の学習に困難が生じるのです。

重要なのは、学習障がいがあっても、他の能力は十分に発揮できるという点です。計算が得意な子は論理的思考力が高く、会話が流暢な子は言語理解力が優れています。この「得意」を活かしながら、「苦手」を補う工夫をすることで、子どもは自信を持って学びを続けることができます。 「診断なしでも児童発達支援は受けられる。グレーゾーンの子どもが受給者証を取得するまでの具体的な手順」もあわせてご覧ください。

学習障がいと「勉強が苦手」はどう違うのか

「うちの子も勉強が苦手だけど、それは学習障がいとは違うのでは?」と感じる方もいるでしょう。単に勉強が苦手な場合と、学習障がいとの違いは、困難の「範囲」と「程度」にあります。勉強が苦手な子どもは、努力や適切な指導によって少しずつ改善していくことが多く、全般的に学習意欲が低かったり、理解に時間がかかったりする傾向があります。一方、学習障がいの場合は、特定の領域だけが極端に困難で、他の教科や日常生活では問題が見られないことが特徴です。

また、学習障がいの子どもは、「やりたいのにできない」という強い葛藤を抱えています。練習量を増やしても成果が出にくく、努力が報われないために自己肯定感が下がりやすい点も、単なる苦手意識とは異なります。保護者や教師が「もっと頑張れ」と叱咤激励すればするほど、子どもは追い詰められてしまうのです。

学習障がいの種類――読字・書字・算数障がいの特徴

学習障がいは、困難が現れる学習領域によっていくつかの種類に分類されます。ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。それぞれが独立して現れることもあれば、重複して現れることもあります。

読字障がい(ディスレクシア)――文字を読むことの困難

読字障がい(ディスレクシア)は、文字を正確に読んだり、流暢に音読したりすることが難しい状態です。文字と音を結びつける「音韻処理」や、文字の形を視覚的に認識する能力に偏りがあるため、ひらがなやカタカナは読めても漢字が読めない、あるいは単語を一つひとつ区切って読むことができず、文章全体の意味を理解しにくいといった困難が生じます。

例えば、小学2年生のBさんは、絵本の音読が極端に苦手で、一文字ずつ指でなぞりながらでないと読めません。しかし、耳で聞いた物語はしっかり理解でき、感想を話すことができます。学校では「読書が嫌い」と思われがちですが、実際には「読めないから楽しめない」という状態だったのです。専門機関で支援を受け、音声読み上げ機能を使った学習に切り替えたところ、理解力の高さが発揮され、国語の成績も安定しました。

書字障がい(ディスグラフィア)――文字を書くことの困難

書字障がい(ディスグラフィア)は、文字を正確に書いたり、文章を組み立てて表現したりすることが難しい状態です。手指の運動制御や、視覚情報を運動に変換する機能、ワーキングメモリ(短期記憶)の弱さなどが背景にあります。漢字の形が覚えられない、鏡文字になる、マス目に収まらない、作文が書けないといった困難が見られます。

「計算は得意なのに漢字だけ覚えられない」という冒頭の悩みは、まさにこの書字障がいの典型例です。数字や記号の形は視覚的にシンプルで覚えやすい一方、漢字は画数が多く、似た形が多いため、視覚的記憶や運動記憶に負担がかかります。また、書字障がいがあると、板書を写すことに時間がかかり、授業の内容を聞き逃してしまうこともあります。

算数障がい(ディスカリキュリア)――数の概念や計算の困難

算数障がい(ディスカリキュリア)は、数の概念を理解したり、計算を正確に行ったりすることが難しい状態です。数量感覚(数の大小や順序)、暗算、九九の記憶、図形の理解などに困難が見られます。一方で、読み書きは問題なくできる場合も多く、「国語は得意だけど算数だけが壊滅的」というケースが該当します。

小学4年生のC君は、文章を読む力があり、作文も上手に書けますが、繰り上がりのある足し算や九九がどうしても覚えられません。指を使って数えることはできますが、抽象的な数の操作が難しく、文章題になると何を計算すればいいのか分からなくなります。専門家のアドバイスで、具体物(おはじきやブロック)を使った視覚的な支援を取り入れたところ、少しずつ理解が進むようになりました。

年齢ごとに現れる学習障がいのサイン

学習障がいのサインは、子どもの発達段階によって異なります。早期に気づくことで、適切な支援につなげやすくなるため、年齢ごとの特徴を知っておくことが大切です。

幼児期(3歳〜就学前)――言葉や手先の動きに現れる兆候

幼児期には、学習障がいそのものを診断することは難しいですが、将来的に困難が現れる可能性を示す兆候が見られることがあります。言葉の発達がゆっくりで、単語が出るのが遅い、しりとりや韻を踏む遊びが苦手、クレヨンやハサミの使い方がぎこちない、パズルや積み木に興味を示さないといったサインです。

ただし、幼児期の発達には個人差が大きいため、これらのサインがあるからといって必ずしも学習障がいとは限りません。気になる場合は、保健センターや児童発達支援事業所で相談し、遊びを通じた発達支援を受けることが有効です。詳しくは「【発達】児童発達支援はどこに相談すれば受けられる?窓口選びから初回利用まで迷わず進む道筋」で解説しています。

小学校低学年(1年生〜3年生)――読み書きの困難が顕在化

小学校に入学すると、読み書きや計算が本格的に始まるため、学習障がいのサインが顕在化しやすくなります。ひらがなの読み書きに極端に時間がかかる、音読が途切れ途切れになる、漢字を何度練習しても覚えられない、数字を逆さに書く、繰り上がりの計算ができないといった困難が見られます。

この時期に重要なのは、「できない」ことを叱るのではなく、どのように困っているのかを観察し、記録することです。例えば、「漢字テストで毎回同じ字を間違える」「音読のときに行を飛ばす」「計算はできるが文章題になると手が止まる」といった具体的な様子を記録しておくと、専門家に相談する際に役立ちます。

小学校高学年以降(4年生以降)――学習内容の複雑化で困難が深刻化

高学年になると、学習内容が抽象的になり、文章も長く複雑になります。作文や読書感想文が書けない、教科書の内容を理解できない、ノートをまとめられない、テストで時間内に解答できないといった困難が深刻化します。この段階になると、学習の遅れが目立ち始め、自己肯定感が大きく低下することも少なくありません。

また、学習障がいが見過ごされたまま成長すると、「自分は頭が悪い」「どうせできない」という否定的な自己イメージが定着し、不登校や二次的な情緒障がいにつながるリスクもあります。詳しくは「『不登校+発達特性』の子どもに必要な支援とは?療育・フリースクール・訪問支援の組み合わせ方」で解説しています。

学習障がいの原因――遺伝・脳機能・環境の複合的要因

学習障がいの原因は、単一の要因ではなく、遺伝的要因、神経学的要因、環境的要因が複雑に絡み合って生じると考えられています。

遺伝的要因と脳の発達の違い

学習障がいには遺伝的な傾向があり、親やきょうだいに読み書きの困難がある場合、子どもにも同様の傾向が現れることがあります。脳の特定領域(左半球の言語野や、視覚情報を処理する後頭葉など)の発達や機能に生まれつきの違いがあることが、近年の脳科学研究で明らかになっています。

ただし、遺伝的要因があるからといって、必ずしも学習障がいが現れるわけではありません。早期に適切な支援を受けることで、困難を軽減し、強みを伸ばすことが可能です。

環境要因と二次的な影響

学習障がいそのものは環境が原因ではありませんが、適切な支援を受けられない環境や、「努力不足」と叱責される環境は、子どもの困難を深刻化させる二次的な要因となります。逆に、理解ある環境で、子どもに合った学習方法を提供することで、学習の困難は大きく軽減されます。

ADHDやASDとの併存

学習障がいは、ADHD(注意欠如・多動性障がい)やASD(自閉スペクトラム症)と併存することが少なくありません。ADHDの不注意や衝動性が学習の集中を妨げたり、ASDのこだわりや感覚過敏が学習環境に影響を与えたりすることがあります。それぞれの特性を理解し、総合的にサポートすることが重要です。

家庭でできる具体的なサポート

学習障がいのある子どもに対して、家庭でできるサポートは数多くあります。ポイントは、「苦手を無理に克服させる」のではなく、「得意を活かして学びやすくする」ことです。

学習環境を整える

集中しやすい環境づくりが第一歩です。静かで視覚的な刺激が少ない場所を学習スペースにし、タイマーを使って短時間の学習と休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」を取り入れると効果的です。また、姿勢を安定させるクッションや、文字を大きく見やすくする拡大鏡、タブレット端末の音声読み上げ機能なども有効です。

ある家庭では、漢字が覚えられない小学3年生の娘さんのために、リビングの一角に「漢字コーナー」を作り、大きな紙に娘が興味を持つイラストと一緒に漢字を書いて貼りました。視覚的に楽しく、繰り返し目に入る環境にしたことで、自然に記憶に残るようになったそうです。

子どもの得意を活かす学び方を探す

読み書きが苦手でも、耳で聞く力が優れている子どもには、オーディオブックや動画教材が有効です。書字が苦手な場合は、タブレットで入力する、音声入力を使う、写真で記録するといった代替手段を取り入れましょう。算数が苦手な場合は、具体物を使った視覚的な学習や、ゲーム形式のアプリを活用することで、理解が深まることがあります。

「できないこと」に焦点を当てるのではなく、「この子はどんな方法なら学びやすいのか」を一緒に探す姿勢が、子どもの自己肯定感を守ります。

ポジティブなフィードバックと成功体験の積み重ね

学習障がいのある子どもは、日々「できない」経験を積み重ねているため、自己肯定感が低くなりがちです。家庭では、小さな成功を見逃さず、具体的に褒めることが大切です。「今日は漢字を3つも覚えたね」「音読、昨日より2行多く読めたよ」といった具体的な声かけが、子どもの意欲を支えます。

また、学習以外の得意分野(絵を描く、工作、スポーツ、ゲームなど)を伸ばし、「自分にもできることがある」という自信を育てることも重要です。詳しくは「幼児期の『遊び』が子どもの脳と心を育てる理由|発達特性がある子にも今日から使える関わり方」で解説しています。

学校や園との連携の重要性

家庭だけでなく、学校や園と連携することで、子どもが一日の大半を過ごす環境での支援が可能になります。

個別の支援計画(IEP)と特別支援教育

学習障がいのある子どもには、学校で「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成してもらうことができます。これは、子どもの困難や強みを踏まえて、どのような配慮や支援を行うかを具体的に記したものです。例えば、テストの時間を延長する、漢字の書き取りの量を減らす、タブレット端末の使用を認めるといった合理的配慮が受けられます。

学校との連携を始めるには、まず担任の先生や特別支援教育コーディネーターに相談し、家庭での様子や困りごとを具体的に伝えることが大切です。「漢字テストで毎回0点」「音読のときに行を飛ばす」といった事実ベースの情報を共有すると、学校側も対応しやすくなります。

支援員の配置や通級指導教室の活用

学校によっては、学習支援員や特別支援教育支援員が配置されている場合があります。また、通常学級に在籍しながら、週に数時間だけ通級指導教室で個別の指導を受ける「通級による指導」という制度もあります。読み書きや計算の基礎的なスキルを、少人数または個別で丁寧に指導してもらえるため、子どもの負担を軽減しながら学びを進めることができます。

保護者が孤立しないための情報共有

学校との連携では、保護者が一方的に要望を伝えるのではなく、学校側の状況や考えを聞き、一緒に子どものために何ができるかを考える姿勢が大切です。定期的に面談の機会を設け、家庭と学校での様子を共有することで、一貫性のある支援が可能になります。

相談先と専門的な支援機関

学習障がいかどうかを見極め、適切な支援を受けるためには、専門機関への相談が不可欠です。

発達支援センターや教育相談室

各自治体には、発達支援センターや教育相談室が設置されており、子どもの発達や学習に関する相談を無料で受け付けています。心理士や言語聴覚士、作業療法士などの専門家が、子どもの様子を観察し、必要に応じて知能検査や発達検査を実施してくれます。検査結果をもとに、家庭や学校でどのような支援が必要かを具体的にアドバイスしてもらえます。

医療機関(小児神経科・児童精神科)

学習障がいの診断を受けるには、小児神経科や児童精神科のある医療機関を受診します。診断には、問診、行動観察、各種検査(知能検査、学力検査、視知覚検査など)が行われます。診断を受けることで、学校での合理的配慮を受けやすくなるほか、必要に応じて薬物療法やカウンセリングを受けることも可能です。

放課後等デイサービスや児童発達支援

学習障がいのある子どもは、放課後等デイサービスや児童発達支援といった福祉サービスを利用することもできます。これらの事業所では、一人ひとりの特性に合わせた個別支援計画を作成し、学習支援やソーシャルスキルトレーニング、感覚統合療法などを提供しています。文部科学省が示すガイドラインに基づいた支援が行われており、専門的なアプローチで子どもの成長をサポートします。

LaZo株式会社の発達支援事業所では、読み書きや計算の困難に対して、一人ひとりの得意を活かしたオーダーメイドのプログラムを提供しています。例えば、視覚的な学習が得意な子どもには、イラストや図を多用した教材を使い、聴覚的な学習が得意な子どもには、音声教材や会話を中心にしたアプローチを取り入れています。子どもが「できた!」という成功体験を積み重ねることで、自己肯定感を育てながら学習意欲を引き出します。

保護者が一人で悩みを抱え込まないために

子どもの学習のつまずきに直面したとき、保護者は「自分の育て方が悪かったのではないか」「もっと厳しくすべきだった」と自分を責めがちです。しかし、学習障がいは誰のせいでもなく、脳の学習機能の特性によるものです。

同じ悩みを持つ保護者とのつながり

地域の親の会やオンラインコミュニティで、同じように学習障がいのある子どもを育てる保護者とつながることは、大きな支えになります。「うちも同じだった」「こんな工夫をしたら楽になった」といった具体的な情報交換ができるだけでなく、孤独感が和らぎます。

専門家の力を借りる勇気

相談することは、決して恥ずかしいことでも、子どもに「障がい」のレッテルを貼ることでもありません。むしろ、早期に適切な支援を受けることで、子どもの困難を軽減し、強みを伸ばすチャンスが広がります。専門家は、保護者の味方であり、一緒に子どもの未来を考えるパートナーです。

子どもの「今」と「未来」を信じる

学習障がいがあっても、多くの人が自分の得意を活かして社会で活躍しています。読み書きが苦手でも、ITスキルを磨いてエンジニアになった人、算数が苦手でもデザインの才能を発揮してクリエイターになった人など、成功のかたちは多様です。子どもの「できないこと」ではなく、「できること」「好きなこと」に目を向け、その可能性を信じることが、何よりの支援になります。

「計算はできるのに漢字だけ覚えられない」という悩みは、決して珍しいことではありません。それは努力不足ではなく、脳の学習機能の特性によるものかもしれません。まずは専門機関に相談し、子どもに合った学び方を一緒に探していきましょう。詳しくは「読み書きが苦手」は学習障がい?勉強嫌いとの違いと、親が踏み出す最初の一歩」でも解説しています。

よくある質問

学習障がい(LD)かどうかは何歳ごろから分かりますか?

一般的には、小学校入学後、読み書きや計算の学習が本格的に始まる6〜8歳ごろに顕在化することが多いです。幼児期には判断が難しいですが、言葉の遅れや手先の不器用さなど、将来的な兆候が見られる場合もあります。気になる場合は、早めに保健センターや児童発達支援事業所に相談することをお勧めします。

計算は得意なのに漢字だけ覚えられない場合、どのような支援が有効ですか?

視覚的な記憶や運動記憶の弱さが背景にある場合、イラストやイメージと結びつけて覚える、タブレットで繰り返し練習する、音声で読み上げながら書くといった多感覚的なアプローチが有効です。また、漢字の量を減らし、スモールステップで成功体験を積むことも重要です。

学習障がいがあると診断されたら、必ず特別支援学級に通わなければなりませんか?

いいえ、診断があっても通常学級で学び続けることは可能です。個別の指導計画や合理的配慮を受けながら、通常学級で過ごす子どもも多くいます。通級指導教室を週に数時間利用するという選択肢もあります。子どもの状況に応じて、学校と相談しながら最適な環境を選びましょう。

家庭でのドリル学習が逆効果になることはありますか?

はい、学習障がいのある子どもに対して、苦手な領域を繰り返し練習させることは、自己肯定感を下げ、学習意欲を失わせる逆効果になることがあります。無理に量をこなすのではなく、子どもに合った学び方を見つけ、小さな成功を積み重ねることが大切です。

学習障がいは治りますか?

学習障がいは、脳の機能的な特性によるものであり、「治る」ものではありません。しかし、適切な支援や環境調整によって、困難を大きく軽減し、得意を伸ばすことは可能です。多くの人が、自分に合った学び方や働き方を見つけて、社会で活躍しています。

学校の先生に相談しても理解してもらえない場合はどうすればいいですか?

まずは学校の特別支援教育コーディネーターに相談してみましょう。それでも難しい場合は、外部の専門機関(発達支援センターや医療機関)で検査を受け、その結果を学校に共有することで、理解と協力を得やすくなります。保護者が一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが重要です。

放課後等デイサービスは学習障がいのある子どもも利用できますか?

はい、利用できます。放課後等デイサービスでは、学習支援やソーシャルスキルトレーニングなど、一人ひとりの特性に合わせたプログラムを提供しています。受給者証を取得することで、自治体からの給付を受けながら利用できます。詳しくは市区町村の障がい福祉課や発達支援センターに問い合わせてください。

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