「うちの子、運動が苦手かも」と感じたら確認したい5つのサインと年齢別・家庭でできる運動遊び

運動が苦手な子どもには、「体のバランスが取りにくい」「ボールをうまくキャッチできない」「疲れやすくすぐに座り込む」「手先の細かい動きが苦手」「運動を避けたがる」という5つのサインが見られます。これらは発達性協調運動障害(DCD)や体幹の弱さ、睡眠不足などが関係している場合があります。家庭では年齢に応じた遊びを通じて、楽しみながらスモールステップで運動経験を積み重ねることが大切です。 「運動が苦手な子どもに無理させなくていい|発達に合わせた運動遊びで自信を育てる方法」もあわせてご覧ください。

公園で他の子どもたちが遊具で遊んでいる中、我が子だけがうまく登れずにいる姿を見ると、親として胸が痛みます。保育園や幼稚園の先生から「お友達と比べて体の動きが少し気になります」と言われたとき、どうしてあげればいいのか分からず不安になる保護者の方も少なくありません。運動が苦手なことは、決してお子さんの努力不足や親の育て方の問題ではなく、体の発達や環境など複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。 「ADHDの子どもに薬は必要?治療薬の種類と効果、親が知っておくべき服薬の判断基準」もあわせてご覧ください。

子どもの運動能力は身体的な発達だけでなく、集中力や記憶力といった認知機能、さらには友達とのコミュニケーションや協調性を育む社会性の土台にもなります。この時期にどのような関わり方をするかによって、子ども自身の自己肯定感や挑戦する気持ちが大きく変わっていきます。今回は、運動が苦手な子どもに見られる具体的なサインと、家庭で無理なく取り組める年齢別の運動遊びを解説します。 「運動が子どもの認知機能を育てる理由と遊び方のヒント」もあわせてご覧ください。

目次

運動が苦手な子どもに共通する5つのサイン

運動が苦手な子どもには、日常生活の中で見えてくる共通したサインがあります。これらは単に「運動神経が悪い」という一言では片付けられず、体の使い方や発達の特徴と深く関わっています。 「うちの子、もしかして学習障がい?読み書き・計算が苦手なとき最初に知っておきたいこと」もあわせてご覧ください。

体のバランスが取りにくく、転びやすい

平らな場所でもつまずいたり、階段の上り下りで手すりを必要としたりする場合、体幹の筋力が十分に育っていない可能性があります。体幹は体の中心を支える筋肉の総称で、姿勢を保ったり体のバランスを取ったりする上で欠かせません。体幹が弱いと、立っているだけで疲れやすくなり、長時間座っていることも難しくなります。

幼稚園の椅子にまっすぐ座り続けられず、すぐに肘をついたり背もたれに寄りかかったりする子どもは、体幹の筋力が育ちきっていないサインかもしれません。また、片足立ちが数秒もできない、スキップがぎこちないといった様子も見られます。これらは日常生活の中で体を使う経験が少なかったり、体の使い方をうまく学習できていなかったりすることが背景にあります。 「ASDの子が「できない」と泣いて諦めてしまうとき、親ができる自己肯定感を守る関わり方」もあわせてご覧ください。

ボールをキャッチしたり投げたりするのが難しい

ボール遊びは目と手の協調運動を必要とする活動です。飛んでくるボールの位置を目で追い、タイミングを合わせて手を動かすという一連の動作には、視覚情報と体の動きを同時に処理する能力が求められます。この協調運動がうまく働かないと、ボールを投げる方向が定まらなかったり、キャッチしようとしても手が届かなかったりします。

発達性協調運動障害(DCD)という概念があります。これは知的な遅れがないにもかかわらず、体の動きがぎこちなく、年齢相応の運動技能が身につきにくい状態を指します。DCDを持つ子どもは、ボール遊びだけでなく、縄跳びや自転車に乗ることなど、複数の体の動きを組み合わせる活動全般に困難を抱えやすい傾向があります。詳しくは「運動が苦手な子どもの背景にあるもの|発達的な特徴と専門的な運動療育による支援の道筋」で解説しています。

すぐに疲れて座り込んでしまう

体力や持久力の不足は、運動が苦手な子どもに見られる典型的なサインの一つです。少し走っただけで息が切れたり、遠足などの行事で途中で歩けなくなったりする場合、日常的に体を動かす機会が少なく、心肺機能や筋力が十分に育っていない可能性があります。

近年の研究では、睡眠不足が子どもの運動能力に大きな影響を与えることが明らかになっています。睡眠時間が足りないと集中力が続かず、体の疲労も回復しにくくなります。夜遅くまでスマートフォンやタブレットを見ている、就寝時刻が不規則といった生活習慣がある場合、まずは睡眠環境を見直すことも重要です。睡眠の質を整えることで、日中の活動量が増え、結果として運動能力の向上にもつながります。

手先が不器用で、ボタンや箸の使い方に苦労する

運動といえば走ることや跳ぶことをイメージしがちですが、手先の細かい動き(微細運動)も運動能力の一部です。ボタンをはめる、箸を使う、ハサミで紙を切るといった動作がうまくできない場合、指先の力加減や動きをコントロールする力が育っていないことがあります。

手先の不器用さは、全身を使った粗大運動の苦手さと関連していることも多く見られます。体幹がしっかりしていないと、手先だけで細かい作業をしようとしても力が入りにくく、うまく動かせないのです。折り紙や工作、お絵かきなどの活動に興味を示さない子どもは、手先の苦手さを無意識に避けている場合もあります。

運動を避けたがり、外遊びに消極的

体育の時間になると理由をつけて休みたがる、公園に誘っても「疲れるから嫌」と拒否する、友達と外で遊ぶより室内で過ごしたがるといった行動が見られる場合、運動に対する苦手意識が強まっているサインです。これは単なる怠け心ではなく、過去に「できなかった」「失敗した」という経験が積み重なり、自信を失っている状態と言えます。

オーバートレーニング症候群という言葉があります。これは過度な運動によって心身に疲労が蓄積し、意欲の低下や慢性的な疲れが生じる状態を指しますが、逆に運動経験が極端に少ない子どもも、わずかな運動で大きな負担を感じやすくなります。こうした状況が続くと、運動そのものへの拒否感が強まり、ますます体を動かす機会を失ってしまう悪循環に陥ります。詳しくは「運動が嫌いと言い始めた子どもに親ができる3つのこと|楽しさを取り戻す向き合い方」で解説しています。

運動が苦手になる背景にあるもの

子どもが運動を苦手とする背景には、単なる練習不足だけでなく、体の発達や生活環境、心理的な要因など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。ここでは特に見落とされがちな要因について取り上げます。

体幹の弱さが運動全般に影響している

体幹は体の中心にある筋肉群で、背骨を支え、姿勢を保つ役割を担っています。体幹がしっかりしていないと、立つ・座る・歩くといった基本的な動作でも体がぐらつきやすく、転倒のリスクが高まります。さらに、ボールを投げる、ジャンプするといった動作では、体幹が動きの起点となるため、ここが弱いとすべての運動パフォーマンスが低下します。

現代の子どもたちは、外遊びの機会が減り、室内でゲームや動画を見て過ごす時間が増えています。こうした生活では、体幹を鍛える機会が自然に失われてしまいます。かつて当たり前だった「木登り」や「雑巾がけ」「和式トイレでしゃがむ」といった日常動作が減ったことも、体幹の弱さにつながっていると指摘されています。

睡眠不足が運動能力の発達を妨げる

睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、体や脳の発達に欠かせない時間です。睡眠時間が不足すると、日中の集中力が低下し、体の疲労も回復しにくくなります。運動には集中力と体力の両方が必要なため、睡眠が十分に取れていない子どもは、運動場面でのパフォーマンスが落ちやすくなります。

2026年の調査では、小学生の約3割が慢性的な睡眠不足の状態にあるとされており、就寝時刻の遅れがその主な原因とされています。夜遅くまでスマートフォンやタブレットを見ている、習い事で帰宅が遅くなるといった生活リズムの乱れは、運動能力だけでなく、情緒の安定や学習面にも悪影響を及ぼします。運動が苦手だと感じたときには、まず生活習慣の見直しから始めることが効果的です。

発達性協調運動障害(DCD)の可能性

発達性協調運動障害(DCD)は、知的な遅れがないにもかかわらず、運動技能の習得が極端に遅れたり、体の動きがぎこちなかったりする状態を指します。日本ではまだ認知度が低いものの、5〜6%の子どもに見られると言われており、決して珍しい状態ではありません。

DCDの子どもは、自転車に乗れるようになるまでに時間がかかったり、ボタンをはめるのが難しかったりと、日常生活のさまざまな場面で困難を抱えます。こうした状態が続くと、周囲から「不器用」「やる気がない」と誤解され、本人も自信を失いやすくなります。気になる場合は、自己判断せず、小児科や発達支援センターなど専門機関に相談することが大切です。

運動が苦手なのは、決して努力不足や親の育て方の問題ではありません。体の発達や生活環境、そして発達の特性など、複数の要因が絡み合っています。まずはその背景を理解し、焦らず寄り添うことが第一歩です。

家庭でできる年齢別の運動遊び

運動が苦手な子どもにとって、いきなりハードルの高い活動に挑戦させることは逆効果です。年齢や発達段階に応じて、楽しく無理なく取り組める遊びを通じて、少しずつ成功体験を積み重ねることが何より大切です。

2〜3歳:体を動かす楽しさを感じる時期

この時期は、走る・跳ぶ・しゃがむといった基本的な動作を体験することが目標です。まだ複雑なルールを理解するのは難しいため、親子で一緒に体を動かしながら、「動くって楽しい」という感覚を育てます。

室内では、音楽に合わせて手を叩いたり足踏みをしたりする簡単なリズム遊びが効果的です。親が手本を見せながら一緒に体を動かすことで、子どもは安心して真似をすることができます。ボールをコロコロと転がして追いかける遊びも、目と体の協調を育てる第一歩になります。

屋外では、広い公園で親子でかけっこをする、砂場でスコップを使って砂を掘る、低い段差を登ったり降りたりするといった活動が適しています。無理に遊具に挑戦させる必要はなく、まずは子どもが興味を持ったものに寄り添い、一緒に楽しむ姿勢が大切です。

4〜5歳:全身を使った遊びでバランス感覚を育てる

4〜5歳になると、体の動きがより複雑になり、ジャンプしたり片足でバランスを取ったりすることができるようになってきます。この時期には、全身を使った遊びを通じて、体幹やバランス感覚を育てることが重要です。

室内では、クッションや段ボールを使った障害物コースを作り、またいだり飛び越えたりする遊びがおすすめです。音楽をかけてダンスをする、動物の真似をして動くといったリズム遊びも、楽しみながら全身運動ができます。子どもの好きなキャラクターや動物になりきることで、自然と体を動かすことに夢中になります。

屋外では、ボール蹴りやキャッチボールなど、道具を使った遊びに挑戦してみましょう。最初は大きくて柔らかいボールを使い、距離も短くして成功体験を重ねることがポイントです。また、公園の遊具で滑り台やブランコに挑戦することで、高さやスピードに慣れ、体の使い方を学んでいきます。詳しくは「【幼児教育】3歳児健診で「様子を見ましょう」と言われたとき、次に取るべき具体的なアクション」で解説しています。

6歳以上:協調性と持久力を育てるチームや個人活動

小学校に入ると、体育の授業やクラスの遊びで、ルールのある運動に触れる機会が増えます。この時期は、持久力や協調性を育てることが目標になりますが、運動が苦手な子どもにとっては、周囲との比較でプレッシャーを感じやすい時期でもあります。

家庭では、サイクリングやハイキングなど、競争ではなく自分のペースで楽しめる活動が向いています。家族で一緒に目標を決めて達成する経験は、子どもの達成感や自信につながります。また、縄跳びやフラフープなど、一人で練習できる活動も、自分のペースで挑戦できるため取り組みやすいでしょう。

チームスポーツに興味を持った場合は、勝ち負けよりもプロセスを楽しむ環境を選ぶことが大切です。地域のスポーツクラブや習い事を選ぶ際には、指導者の方針や雰囲気を事前に確認し、子どもが安心して参加できる場所を見つけてください。無理に周囲に合わせる必要はなく、子どものペースを尊重してくれる環境が理想的です。

年齢 発達の特徴 おすすめの室内遊び おすすめの屋外遊び
2〜3歳 走る、跳ぶ、しゃがむ リズム遊び、ボール転がし かけっこ、砂場遊び、段差の上り下り
4〜5歳 ジャンプ、片足立ち、バランス 障害物コース、ダンス、動物の真似 ボール遊び、滑り台、ブランコ
6歳以上 持久力、協調性、ルール理解 縄跳び、フラフープ、ストレッチ サイクリング、ハイキング、チームスポーツ

家庭でできるサポートと声かけのポイント

運動が苦手な子どもにとって、親がどのように関わるかは、今後の運動への意欲や自己肯定感に大きく影響します。ここでは、家庭で実践できる具体的なサポート方法と、子どもの心に寄り添う声かけのコツをご紹介します。

小さな成功体験を積み重ねる工夫

運動が苦手な子どもは、「できない」という経験を何度も繰り返していることが多く、挑戦する前から諦めてしまう傾向があります。こうした状態を変えるには、小さな目標を設定し、達成感を味わう経験を積み重ねることが欠かせません。

例えば、ボールをキャッチする練習をする場合、いきなり速いボールを投げるのではなく、まずはゆっくりと転がして受け取る練習から始めます。それができたら、少し高く投げてみる、距離を少しだけ離してみるといったように、段階的にレベルを上げていきます。このとき大切なのは、子どもが「できた!」と実感できるタイミングでしっかりと褒めることです。

成功体験は、子どもの自己肯定感を育て、次の挑戦への意欲を生み出します。失敗したときには結果ではなく、「挑戦したこと」や「頑張ったこと」そのものを認める声かけが効果的です。「うまくいかなかったけど、最後まで諦めなかったね」といった言葉は、子どもに安心感を与えます。

他の子どもと比較せず、その子のペースを尊重する

運動が苦手な子どもを持つ保護者がつい陥りがちなのが、周囲の子どもと比較してしまうことです。「〇〇ちゃんはもう自転車に乗れるのに」「クラスで一番遅い」といった言葉は、子どもの自尊心を傷つけ、運動への意欲をさらに失わせてしまいます。

子どもの発達には大きな個人差があります。運動が得意な子もいれば、絵を描くことや言葉で表現することが得意な子もいます。運動の習得には時間がかかるかもしれませんが、それは子どもの個性であり、劣っているわけではありません。焦らず、その子自身のペースを見守る姿勢が何より大切です。

保護者自身が他の子と比較することをやめると、子どもも自分の成長を楽しめるようになります。「先週よりもボールを遠くに投げられたね」「この前できなかったことが、今日はできたね」といった、子ども自身の成長に目を向けた声かけを心がけましょう。

得意なことや好きなことを入り口にする

運動が苦手な子どもでも、必ず得意なことや興味を持っていることがあります。例えば、音楽が好きな子にはダンスやリズム遊びを、生き物が好きな子には動物の動きを真似する遊びを提案するなど、子どもの興味を運動に結びつけることで、自然と体を動かす機会が増えます。

ゲームが好きな子であれば、体を動かすタイプのゲームやアプリを活用するのも一つの方法です。ただし、画面を見る時間が長くなりすぎないよう、時間を区切ったり、外遊びとのバランスを取ったりする工夫が必要です。運動を「やらなければいけないもの」ではなく、「楽しいもの」として捉えられるような環境を整えることが、長期的な成長につながります。詳しくは「【ADHD】ADHDの子どもが忘れ物を繰り返す背景と、家庭でできる「準備の仕組み化」実践ガイド」で解説しています。

子どもの「できた!」という瞬間を見逃さず、その都度しっかりと認めてあげることが、次の挑戦への意欲を育てます。小さな一歩を、親子で一緒に喜びましょう。

学校や園、専門機関との連携の重要性

家庭での取り組みだけでは不安が残る場合や、子どもの困りごとが日常生活に大きく影響している場合には、学校や園、専門機関と連携することが非常に重要です。一人で悩みを抱え込まず、周囲のサポートを活用することで、子どもにとって最適な支援が見えてきます。

担任の先生や保育士との情報共有

子どもが園や学校でどのように過ごしているのか、運動場面でどのような困りごとがあるのかを把握するためには、担任の先生や保育士との情報共有が欠かせません。家庭では見えない姿が園や学校で現れることもあり、逆に家庭での様子を伝えることで、先生方の理解が深まることもあります。

「うちの子は運動が苦手で心配です」と率直に相談することで、体育の授業での配慮や、友達との関わり方について一緒に考えてもらえる可能性があります。また、運動会や遠足などの行事前には、事前に不安な点を伝えておくことで、子どもが安心して参加できる環境を整えてもらえることもあります。

保育所等訪問支援の活用

保育所等訪問支援は、専門スタッフが子どもが通う園や学校に直接訪問し、集団生活での困りごとをサポートする制度です。運動が苦手で体育の時間に参加できない、遊具で遊ぶときに不安を感じているといった場面で、具体的な関わり方や環境調整のアドバイスを先生方に提供します。

この制度を利用することで、家庭と園・学校、そして専門機関が連携し、子どもにとって一貫した支援を提供できるようになります。利用には受給者証が必要ですが、診断がなくても自治体の判断で利用できる場合もあります。気になる場合は、まずは地域の発達支援センターや福祉課に相談してみてください。

児童発達支援や放課後等デイサービスでの運動療育

家庭や園・学校だけではサポートしきれない場合、児童発達支援や放課後等デイサービスといった専門機関を活用することも選択肢の一つです。これらの施設では、作業療法士や理学療法士といった専門スタッフが、子どもの発達段階や特性に応じた運動プログラムを提供しています。

運動療育では、体幹トレーニングやバランス感覚を育てる遊び、協調運動を促す活動など、一人ひとりに合わせたアプローチが行われます。また、同じような困りごとを持つ仲間と一緒に活動することで、「自分だけじゃない」という安心感を得られることも大きなメリットです。詳しくは「【ADHD】ADHDの子どもに放課後等デイサービスは必要?見学前に知っておきたい選び方の基準と活用のコツ」で解説しています。

相談先と専門機関の活用方法

運動の苦手さが気になったとき、どこに相談すればいいのか分からず不安になる保護者も少なくありません。ここでは、具体的な相談先と、それぞれの特徴や利用の流れをご紹介します。

地域の発達支援センターや保健センター

発達支援センターや保健センターは、子どもの発達全般について相談できる身近な窓口です。運動面だけでなく、言葉やコミュニケーション、生活習慣など、幅広い困りごとに対応しています。専門の心理士や保健師が在籍しており、必要に応じて専門機関への紹介も行ってくれます。

相談は予約制のところが多いため、まずは電話やウェブサイトで問い合わせてみましょう。相談の際には、気になる様子を具体的にメモしておくと、スムーズに話を進めることができます。「階段を降りるときに怖がる」「ボールを投げる方向が定まらない」など、日常生活の中で気づいたことを整理しておくと良いでしょう。

小児科や発達外来での相談

運動面の遅れや不器用さが顕著な場合、小児科や発達外来を受診することも一つの選択肢です。医師による診察を通じて、発達性協調運動障害(DCD)やその他の発達特性の有無を確認し、必要に応じてリハビリテーションや療育の紹介を受けることができます。

ただし、発達外来は予約が数ヶ月待ちになることも珍しくありません。早めに予約を入れるとともに、待っている間は地域の発達支援センターや相談窓口を活用して、できるサポートから始めることが大切です。診断の有無にかかわらず、子どもの困りごとに寄り添い、適切な支援を受ける権利があることを忘れないでください。詳しくは「【発達】診断なしでも児童発達支援は受けられる。グレーゾーンの子どもが受給者証を取得するまでの具体的な手順」で解説しています。

訪問看護や訪問支援サービスの活用

外出が難しい、集団活動に強い不安がある、不登校や引きこもり傾向があるといった場合には、訪問看護や訪問支援サービスを利用する選択肢もあります。専門スタッフが自宅を訪問し、子どもの状態に合わせた運動プログラムや生活支援を提供してくれます。

訪問型の支援は、子どもが安心できる環境で無理なく取り組めるという大きなメリットがあります。また、保護者自身も日々の関わり方について直接アドバイスを受けられるため、家庭でのサポート力が向上します。利用には医師の指示や受給者証が必要な場合がありますので、まずは地域の相談窓口や訪問看護ステーションに問い合わせてみてください。

一人で悩みを抱え込まず、信頼できる専門家や支援者とつながることが、子どもの未来を開く第一歩です。相談することは決して弱さではなく、子どもを守るための強さです。

保護者自身の心のケアも大切にする

子どもの運動面での困りごとに向き合うとき、保護者自身が不安や焦り、罪悪感を抱えることは珍しくありません。「自分の育て方が悪かったのではないか」「もっと早く気づいてあげられたら」と自分を責めてしまう方もいます。しかし、保護者が心身ともに疲弊していては、子どもに寄り添う余裕がなくなってしまいます。

完璧を求めず、できることから始める

毎日公園に連れて行かなければ、毎週習い事に通わせなければ、と自分にプレッシャーをかけすぎる必要はありません。子どもにとって一番大切なのは、安心できる環境で過ごすことと、親が笑顔でいることです。無理なスケジュールを組むよりも、週に一度でも親子で楽しく体を動かす時間を持つことの方が、長期的には効果的です。

運動が苦手な子どもの成長は、目に見えにくいものです。すぐに結果が出なくても、焦らずに見守る姿勢を持ちましょう。子どもは親が思っている以上に、日々少しずつ成長しています。その小さな変化を見逃さず、喜び合うことが、親子の信頼関係を深めます。

同じ悩みを持つ保護者とのつながり

運動が苦手な子どもを育てる保護者同士でつながることも、心の支えになります。地域の発達支援センターや児童発達支援施設では、保護者向けの交流会や勉強会が開かれていることがあります。同じ悩みを共有し、「自分だけじゃない」と感じることで、心が軽くなることも多いです。

SNSやオンラインコミュニティでも、発達に関する情報交換や体験談を共有する場が増えています。ただし、情報に振り回されすぎないよう、信頼できる発信者や専門家の意見を参考にすることが大切です。自分と子どもに合った方法を見つけるために、広い視野で情報を集めましょう。

専門家のサポートを受けながら前を向く

保護者自身がカウンセリングや相談支援を受けることも、決して恥ずかしいことではありません。子どもの発達について悩んだとき、専門家に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理され、次の一歩を踏み出す勇気が湧いてきます。子どもを支えるためには、まず保護者自身が心身ともに健康であることが何より大切です。

運動が苦手な子どもの未来は、決して暗いものではありません。適切なサポートと温かい環境があれば、子どもは自分のペースで確実に成長していきます。焦らず、比べず、今できることを一つずつ積み重ねていきましょう。親子で笑顔になれる時間を大切にしながら、共に歩んでいくことが、何よりの支援になります。

よくある質問

運動が苦手なのは遺伝ですか?

運動能力には遺伝的要素もありますが、それがすべてではありません。生活環境や運動経験、体の使い方を学ぶ機会の有無など、後天的な要因も大きく影響します。家庭でできる運動遊びや専門的な支援を通じて、十分に改善が期待できます。

運動が苦手な子に無理やりスポーツをさせるべきですか?

無理にスポーツをさせると、運動への拒否感が強まり逆効果です。まずは子どもが楽しめる遊びや活動を見つけ、スモールステップで成功体験を積むことが大切です。興味を持ったタイミングで、本人のペースに合わせた習い事を検討しましょう。

発達性協調運動障害(DCD)かどうか、どこで診てもらえますか?

小児科や発達外来、地域の発達支援センターで相談できます。診断には医師の評価が必要ですが、診断がなくても児童発達支援や放課後等デイサービスを利用できる場合もあります。まずは地域の相談窓口に問い合わせてみてください。

体幹を鍛えるには、何歳から始めるのが良いですか?

体幹は乳幼児期から自然な遊びの中で育っていきます。特別なトレーニングは必要なく、ハイハイや段差の上り下り、公園遊びなど日常的な動きで十分です。4〜5歳以降は、バランスボールや簡単なヨガのポーズなども取り入れられます。

運動が苦手な子でも、体育の授業についていけるようになりますか?

適切なサポートがあれば、多くの子どもが自分なりのペースで参加できるようになります。学校と情報共有し、できる範囲での参加や配慮をお願いすることも有効です。家庭や専門機関での取り組みを続けることで、少しずつ自信がついていきます。

睡眠時間と運動能力に本当に関係がありますか?

はい、密接に関係しています。睡眠不足は集中力や体力の低下を招き、運動パフォーマンスに悪影響を与えます。成長ホルモンの分泌にも影響するため、規則正しい睡眠リズムを整えることが運動能力向上の土台になります。

運動が苦手でも、将来困らないようにするにはどうすればいいですか?

運動が苦手でも、他に得意なことや好きなことを伸ばしていけば、自信を持って生きていけます。大切なのは、運動を避け続けるのではなく、最低限の体力や生活動作を身につけることです。専門機関と連携しながら、その子に合った方法を見つけていきましょう。

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