子育ての際、発達障害を持ったお子さんを育てているとこんなことを思ってしまうと思います。
「どうしてうちの子こんなんなのかしら・・・」
「ちゃんと今後学校生活できるのかしら・・・」
「なにか、この子が生きやすい社会にしてあげられないかしら・・・」
など。悩みはつきものであると思います。
アスペルガーもADHDも接し方がわかれば、学校や社会で活躍することはできます。
尚、わかっていない方が、ハンディーをわからないまま生きにくい社会を歩むことになってしまいます。
特に、子供さんがこのような障害を持ってしまうと、親は悩むものです。
重度であればあるほど、発覚しやすいですが、軽度であるとさらにわかりにくく、もっと悩んでしまいます。
現実をうけとめると親子ともに辛いかもしれませんが、知ると行動しやすかったり対処がしやすかったり・・。
いい結果が生まれやすいです。
ためらわず今後の将来の為に心理検査などに行くことをオススメします。
では、普段関わっている人の体験を知っていきましょう。
また、アスペルガー症候群とADHDのそれぞれの特徴を知ったうえで、実際に学習現場でどんなことが起こり、またどんな対策をしたのかをご紹介していきます。
【アスペルガー症候群】
ADSや自閉症スペクトラムと言われているアスペルガー症候群。
まだ、詳しくなぜこのような障害が起こるかは解明されてはいません。
- 相手の気持ちや様子を察するのが苦手。
- ルーティーンを好む
- 不意の予定変更に対応が難しい
- 曖昧な表現が苦手
- 年下と遊んだり、楽しんだりすることが多い
- 正直すぎる。冗談が通じにくい
- 伝わっているかが不安で、長く話してしまう
- なぜか難しい言葉で話してしまう
このような特徴があり、ニガテな部分に直面すると、いきなり怒り始めたり、泣き始めたり、頭の中はパニックです、
【ADHD】
- 一つのことに集中できない
- じっとしてられず、行動と感情のコントロールが苦手
- 好きなことだけには集中しすぎて、周りがみえなくなる。
- 静かにしないといけない場面(映画中、授業中、入学式や葬儀などのイベント時)
- 相手の話に割り込んでしまう
- 忘れ物が多い
- 欲しいものがあるとダダをこねてしまう
- やらないといけない順番に順序がつけられない
- 発してはいけない場面で言ってはいけないことをつい言ってしまう
とくに学習には支障が出やすいタイプです。
【実例】
某学習指導塾の講師にきいてみました。
では実際どんなことが起こりどんな対処をしたのか、事例を見ていきましょう。
【小学校6年 男の子(ADHD)】
いつも通り授業がはじまり、今日学習するところを解説した後、急に「先生~トイレいってくる~」といい席を男の子が立ちました。
5分くらいして、“遅いな~。大丈夫かな?? ”私は心配しましたが、1対1で見ているわけでもないので、時計を気にする程度でした。
10分がたちさすがに遅いと思って見に行くと、彼は机の下に隠れていました。
「なんでそんなところいるの!?」と聞くと、「かくれんぼしてるの!!」と返ってきました。
小学校6年生。
いくら授業がつまらなくてもかくれんぼはいけません。
「かくれんぼするところ??ここは勉強するところだよ。早く席について!」
そういうと走り始め、終始ニコニコしていました。
やっと席に着くと5分後、疲れて眠りはじめてしまう。
おかしいな~?と思った私は、彼に「学校でもこうなの?」と聞くと、「うん!」と元気に返事をし、「怒られないの?」と聞くとニコニコと「怒られるよ~」と言いました。
しかし、彼は通常のクラスに普段おらず、支援学級にいることを知りました。
私も少しは納得しましたが、学習にも行動にも支障があるので困りはてていました。
彼は国語、とくに物語が苦手です。
情景・登場人物・時間・問題の問いすべてがわかっていません。
さらに言えば、プライドがものすごい高く、自分は小学校6年なのに4年のものをやっているのがゆるせないようです。
算数も複雑になったり、文章題がわかっていませんが6年のものをできるまで、進度は関係なく指導しています。
授業中寝てしまうことが多いため、雑談をはさみ、彼が集中してないことを察した瞬間に対応して、なるべく時間目いっぱい学習させています。
できないことは彼のプライドを傷つけないよう、「これ難しい問題だよ。できるように頑張ろう!」などと言い、上手くやる気ダウンせず、彼が出来たときには彼の自信に少しでもなってくれればと思っています。
次は少しまた違うタイプのADHDについて聞いてみました。
【小学校5年 男子(ADHD)】
この子は普段から忘れ物がものすごく多いです。
特に、授業がいつもと違う時間から始まると決まって授業があることを忘れてしまいます。
そしてさらに特徴は、決まって20分くらいすると、必ず「トイレ行ってきます」と言って10分ほど帰ってきません。
どうしても席に座っていることができないようです。
彼は普段、野球を習っているため、体を動かす習い事は良いと思います。
その他、算数が解き方は大丈夫ですが、じっとして文字を読むこと、正確に漢字を書くことがかなりのニガテです。
この子に関しては特に国語は、注意ができないので、自分がヒントと思ったところに思った時に○をつけてもらって、立ってしまった後にでも、わかるようにしています。
【中学3年 女の子(アスペルガー症候群)】
私が関わった子は、学習障害は特にないですが、こだわりがかなり強い子でした。
例えば平均点が40点くらいのテストは難しいはず。60点でも“私がんばった!!”とちょっとは思えるかもしれません。
ですが、どうしても80点でないと許せないのです。
でもそんな子は優秀な子であればかなり多いと思います。
でも、その時の反応が異なり、ちょっと“個性的だな“と感じます。
「お母さんに怒られる」や「80点でないと、自分はバカだ。もう死にたい」などをいろんな人がいる前で話し始めちゃったりします。
また、彼女はすごく絵が得意だとおもっているようで、彼女のお友達の話によると“美術の先生に絵をもっとよくするための指摘をしてもらったのに「私の絵が下手っていうこと??もう嫌だー。」と言ってクラスの人の目の前で鉛筆を折ったそうです。
そんなことをするとクラスみんな冷え切ったムードになっちゃうよね~。“と言っていました。
このような子には、うまーく話す必要があります。
なるべくかんしゃく起こすことがないように話す必要があり、落ち着かせ、自分がどうしたら周りに迷惑をかけてしまうのか客観視できるようにすることが大切です。
彼女がしてしまったことを第三者のしたこととして話してみることが大切でしょう。
自閉症か否か、又は心の理論がわかるテストをご紹介します。
【サリーとアンの課題】
2)サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く。
3)サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す。
4)サリーが部屋に戻ってくる。
5)この場面を子供に示して、「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すと思いますか?」と質問する。
結果
何も問題のない子供は“かご”と答えます。
ですが、自閉症を持っている子供は「箱の中」と答えます。Baron-Cohen S, Leslie AM, Frith U (1985). Does the autistic child have a 'theory of mind'?', Cognition, 21(1), 37–46.
まとめ
この体験談や文章が少しでも、読んでいただいたあなたの悩み解決の一歩になることを心より願っています。
また、このような障害をもっているかたをサポートしたいと思う気持ちを大切にしてください。
また、障害をもって苦しんでいる方、あなたは決して悪くありません。
様々な人との接し方を学び、自分の持っている力を素直に発揮すれば、出来ないところはカバーしてくれます。
これは一般社会でも同様です。 障害の有無関係なく、サポートしあってこそ、よりよい社会になると私は考えます。